あなたは血糖値スパイクという言葉をご存知ですか?以前から食後に一時的に高血糖になる人がいるという事は知られていましたが、あまり医師の間でも問題になっていませんでした。
それが、2016年NHKスペシャルで「“血糖値スパイク”が危ない」という番組が反響を呼び、しだいに医療業界でも注目され始めました。
具体的には、食後の血糖値が急激に上昇し140を超え、数時間後には元に戻る状態です。その状態をグラフにした時に、尖ったスパイクの形になるために「血糖値スパイク」と名付けられました。
ちなみに、血糖値が高い状態が続いた場合を「糖尿病」と呼びます。
以前は「血糖値スパイク」は糖尿病の前段階という認識程度でしたので、「糖尿病に移行しないように注意しましょう」くらいの考えでした。
しかし、最近では「血糖値スパイク」は糖尿病に匹敵するほど、もしくはそれ以上の恐怖があることがわかってきました。
血糖値スパイクは人間ドックでは、まず見つけることができません。そのため、自分が血糖値スパイクであるという事に気が付く人はほぼいません。
そのため、血糖値スパイクを放置したため糖尿病に移行することもあります。
しかし、それ以上に血糖値スパイクは、最新研究では、糖尿病だけでなく心筋梗塞、がん、認知症などのリスクが高まることが分かってきました。
研究者によれば、血糖値スパイクを起こしている人は推定1400万人と糖尿病の患者数(1000万人)をはるかに上回っているそうです。
前回のこのコーナーで、人工甘味料ラカントSが本当に血糖値を上げないのかどうかを知りたくて、血糖値測定器を購入し実験をしました。(血糖値測定器の実験はこちら)
確かにラカントSは血糖値を上げないことが分かり、良かったのですが、その実験の際に衝撃的な事実が分かりました。
実は私自身「血糖値スパイク」の症状を持っていたのです。
その結果が、次の写真です。甘酒を飲んだ時の写真です。カップ半分程度の甘酒を飲んだら、なんと110から246へ跳ね上がりました。私は目を疑いました。
血糖値は140を超えると血管内で活性酸素が発生し組織を傷つけます。160を超えると尿糖が出ると言われています。
同じ日の夕方回転寿司で食事をしました。家に帰って測定したところ230まで跳ね上がっていました。2時間後には97まで下がっていました。まさに、血糖値スパイクです。原因は酢飯(炭水化物と砂糖の入ったお酢)だと思われます。もともと糖質制限をしているのですが、これでまた、食事制限をしなくてはならなくなりました。
朝3時半
豆乳と甘酒を半分ずつカップに入れ飲む
私は昔から回転寿司を食べた後に、甘い物が無性に食べたくなります。てっきり、しょっぱい物(お醤油)を食べたので、逆に甘い物が欲しくなるものだと思っていました。でも、実は違っていました。
オーソモレキュラー栄養療法で有名な先生にお聞きしたところ、急激に血糖値が上がったのち、下がる時に過食のスイッチが入るのだそうです。これはスパイクの高さとは関係ないそうです。
ですから、食後1時間くらいしてから、急激に何かを食べたくなる人は、血糖値スパイクを起こしている可能性があります。
また、人によっては、血糖値が正常より下がってしまう人もいます。それを反応性低血糖といいます。これが就寝中に起きると、“歯ぎしり”をしたり、場合によっては“いびき”の原因になったりしている人もいます。
歯ぎしりで悩んでいる人は私に一度相談してみてくださいね。