近年、歯周病が口の中の病気だけにとどまらず、様々な病気に関わっている事が判明しています。 ここでは妊婦さんに関わる資料をお見せします。
妊婦さんが歯周病にかかると、早産(低体重児)になる可能性が高まる事が報告されています。人間の早産の率は約10%と言われています。これは、他の動物と比較すると異常に高い数字になります。
この原因を追究した結果、歯周病との関連性が判明してきました。 歯周病になると歯ぐきに炎症が起こります。炎症の部分からは、プロスタグランジンという化学物質が生成されます。この物質が子宮筋に働き早産になるといわれています。(*図1)
このプロスタグランジンは臨床では実際に“陣痛促進剤”として使われます。(*図2)
つまり、歯周病の人は自分で陣痛促進剤を作りだしている事になります。早産になれば必然的に低体重児になる可能性が高まります。
妊娠中の方や、妊娠を予定されている方は、口腔内を清潔な状態に保つよう心がけましょう。また、妊娠前のチェックや妊娠中でも定期的に歯医者で口腔内をクリーニングしてもらいましょう。
プロスタグランディンの作用だけでなく、羊水の中から歯周病菌が見つかったといデータもあります。
羊水中の歯周病菌が胎児の発育を妨げてる可能性があるそうです。
非歯周病の人は早産が6%でしたが、歯周病の妊婦は43%が早産でした。 つまり、7倍もリスクが高まります。(アルコール摂取でのリスクが3倍です)
早産になると
*できるだけ早産は回避したいものです。そのために妊娠前から歯周病の予防、治療を行っておきましょう。