長らく、歯科医院と糖質は、どちらかと言えば“敵対的”な関係でした。しかし、フィンランドの大学でキシリトールという糖質が虫歯の原因菌である“S.ミュータンス”を抑制的に働く事を発見して以来、日本では虫歯予防に広く受け入れられるようになりました。それ以来、歯科医院と糖質との関係が少しずつ変化しつつあります。
最近では、さらに腸管免疫力を高め、腸内細菌叢バランスを整えるとされるオリゴ糖(少糖類)が歯科医院で提供される「第二の代用糖」として注目されてきています。
キシリトールというのは天然素材の甘味料の一種です。広葉樹(白樺のなど)やトウモロコシの穂軸、イチゴなどの果物やほうれん草などの野菜に含まれています。甘味度は砂糖とほぼ同じでカロリーは砂糖より低いとされています。また食べると清涼感がありますので、一時期、キシリトール入りの下着などが販売されました。
キシリトールはインシュリン非依存的に代謝されるので糖尿病の方も安心して摂取できますので、病院食などにも使われてきました。 歯科では1970年代後半に、フィンランドが初めて“キシリトールガム”として虫歯予防に使いました。それが、世界中に広まり今に至っています。
このキシリトールは口の中で歯を溶かす原因の「酸」を全く作りません。さらに甘味料であるキシリトールを噛むことによってだ液の分泌を促進するのでお口の中で酸を中和してくれます。ただし、すぐに甘味が無くなるので、味が無くなってもしばらくは噛み続けてください。
キシリトールには虫歯の原因となるミュータンス菌を減らすことが出来る甘味料と言われています。そして、歯垢(プラーク)をつきにくくする効果とはがれやすくする効果があります。さらに、歯の再石灰化(エナメル質から溶け出したカルシウムを補う作用)を促してくれます。 1日数個を数か月噛み続けると上記の効果が表れます。
キシリトールが50%以上含まれているかどうかが重要です。キシリトールはガムの糖質成分のうち50%以上含まれていないと効果がりません。
市販のガムでキシリトールが50%以上含まれているのは、ほとんど見かけませんので、歯科医院で「歯科専用」をお買い求めください。
歯科専用キシリトールガム | キシリトールタブレット |
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前述しましたが、キシリトールには虫歯の原因となるミュータンス菌の活動を甘味料の中で唯一弱められると言われています。そして、プラークをつきにくくする効果とはがれやすくする効果があります。さらに、歯の再石灰化を促してくれます。
糖や果糖など、分子構造的にこれ以上分解されない最小単位の糖である「単糖類」が2~10個結合したものです。
オリゴ糖の中には、ショ糖(砂糖)のように虫歯の原因になったり、容易に消化、吸収されて高カロリー源になるものがあります。 ここでご紹介するオリゴ糖は難消化性オリゴ糖「ラフィノース100」です。
酸や熱に強く、胃や小腸の酵素で消化、吸収されずに直接大腸に達し、腸管内に住む善玉菌であるビフィズス菌の栄養源となって、その数を増やす働きがあります。 悪玉菌が減り、悪玉菌が作りだす有害な腐敗物質が減少します。
ラフィノース100は、ショ糖は一切含まず、純度100%の天然オリゴ糖です。(北海道産の甜菜から作られています)
カロリーは砂糖よりかなり低く、その分甘味も5分の1しかありません。
純度100%は「ラフィノース100」しかありません。
ラフィノース100を摂取すると、直接大腸まで届きます。
しかし、その他に期待されることが「免疫力の向上」です。腸には人体の免疫細胞の50~70%が集まっていると言われています。そのため、腸内の環境が改善されると、全身の免疫力が向上します。