水銀には大きく分けて3つの種類があります。
1.金属水銀(Hg⁰)
2.無機水銀(HgO:酸化水銀 HgS:硫化水銀)
3.有機水銀(MeHg:メチル水銀 HtHg:エチル水銀)です。
水俣病の原因はメチル水銀です。
歯科で使われていたアマルガムの成分である水銀は“金属水銀”です。金属水銀は安全と言われています。
しかし、金属水銀は気化しやすく、取り扱いに注意が必要なため毒物扱いになっています。
アマルガムからは機械的な刺激により、水銀ガスが発生します。そのガスは金属水銀ガスが出ます。
▼YouTubeで動画が見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=dIY4M_1J05c
気化した水銀ガス(Hg:金属水銀)は肺から体内に入り、容易に無機水銀に変化します。
アマルガムからは水銀が溶け出します。溶けだした金属水銀は無機水銀へと変化し、さらに腸内細菌に存在する硫酸還元菌と活性ビタミンによる働きで一部は有機水銀に変化します。
したがって、体内には無機水銀、有機水銀の2種類の型で存在しています。
水銀は恐ろしいことに、胎盤も通過します。また、脳にある血液脳関門(BBB)も通過します。
水銀は脂溶性のため、脂肪に吸着しやすいです。特に脳は脂肪組織でできているために、脳内にとどまりやすいです。
一般的には髪の毛を使った毛髪ミネラル検査を行います。毛髪に出てくる水銀はメチル水銀がほとんどです。
無機水銀は尿から排泄される事が多いです。
血液(赤血球)にはメチル水銀が多く存在します。
そのため、体内の水銀の総量や水銀の種類の比率を診るためには血液、尿、毛髪の検査を行う必要があります。
*例えば、髪の毛の水銀量が少なかったとします。これは体内の水銀量が少ない場合もありますが、その人の水銀の排毒能力が弱いとも考えられます。そのためには、上記のように3種類の検体で検査する必要があります。
予防接種に使われるワクチン内にも抗菌剤としてチメロサールという有機水銀が含まれています。