歯周病はさまざまな病気と関わっている事がわかってきました
心臓病は死因の第2位を占めています。
心臓を取り巻く冠動脈が硬化して血液の流れが悪くなって引き起こされる狭心症や、血栓(血のかたまり)ができて血液が流れなくなって発症する心筋梗塞は、虚血性心疾患と呼ばれ、命にかかわる病気として知られています。
最近では、歯周病も大きな危険因子であることがわかってきました。 歯周病を患っている人は、健常者と比較すると心筋梗塞は2.8倍もリスクが高まるそうです。
一つは、歯周病菌の毒素を防ぐために生み出される炎症に関係する物質が血液中に入り、血管壁に作用して動脈硬化を促進する危険。 もう一つは、歯周病菌の中に血小板を集める働きを持つ菌がいて、それが血栓をつくる危険です。
現在、歯周病で心疾患になる原因は2つ考えられています。
特に悪玉菌と言われているのが、糸ミミズみたいな細菌“トレポネーマデンティコーラ”です。 この細菌は、血流に入り込み心臓の冠動脈に感染し、動脈硬化を起こします。また、血小板の塊りを作り血栓を作ります。 心疾患で亡くなった26名中6名の方の疾患部からこの細菌が検出されました。 “ストレプトコッカス・サンギス”と言う歯周病菌は心内膜炎を引き起こします。
疾患部から検出された歯周病菌
“トレポネーマデンティコーラ”
血管の内皮細胞から見つかったトレポネーマ |
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疾患部から見つかったトレポネーマの抗原 |
トレポネーマの特徴
らせん状の菌です。
免疫応答抑制があるためマクロファージの抗原認識機能の障害を起こすため貪食されにくいです。
歯周ポケット内の浸出液が栄養源です。口臭が強い人はこの菌がいる事が多いです。
まとめ
□歯周病に罹患すると
※別のデータでは軽い歯周病の人は2倍、重い歯周病の人は4.5倍も心臓病になりやすいと言われています。その上、喫煙、糖尿病が加わると約80倍にリスクが高まります。
歯周病治療はもちろんですが、定期的な口腔内の検診やクリーニングを受けましょう。