●私はオーソモレキュラー栄養療法を診療で行っていますが、基本は糖質制限です。そこで、いかに血糖値を上げない食生活をするかがベースになります。現代社会では炭水化物(糖質)が満ち溢れているため、糖質制限をするのは、難しいです。
●私も普段ではかなりの糖質制限を行っていますが、どうしても甘い物が欲しくなります。私はコーヒーは飲まないので、普段は紅茶を飲みます。ミルクティーが好きなのですが、砂糖や牛乳、ダイエットシュガー(アスパラテーム)などは使いたくないので、豆乳を混ぜて飲んでいます。これだけでは、甘くないので「何か砂糖の代わりになるものはないか?」と探していたら、ありました!
●私が使っている医療用サプリメントで出している、「お食事ガイド」に「ラカントS」(サラヤ)は血糖値を上げない甘味料と紹介されていました。
●ラカントSは液状もありますが、今回は粉末を使いました。
●カロリーはゼロのうえ、砂糖と同等の甘さですから使いやすいです。
●そこで、本当に血糖値が上がらないのかを試してみました。患者さんの血糖値を測定するための備えている、ニプロ製の血糖値測定器を使用しました。
●「血糖値」は、私たちの体内を流れる血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。
●私は食物から栄養を摂取するのですが、欠かせない3大栄養の一つである糖質です。
●糖質は穀類、イモ類、果物や砂糖などから摂取され、体内に入るとグリコーゲンという多糖類になって、エネルギー源として肝臓や筋肉に貯えられます。そこからブドウ糖に変化をして血液中に入り、全身の細胞に運ばれます。
※三大栄養素とは「タンパク質」「糖質」「脂質」です。
●私たちの体は食べ物を摂取した後は、血糖値が上がります。すると、血糖値をさげためのインスリンというホルモンが膵臓から分泌され、血糖値が下がります。
●このときインスリンの分泌が足りなかったり、機能が弱かったり(インスリン抵抗性)すると血糖値は高いまま(高血糖)ということになってしまいます。
●この高血糖状態が続くと「糖尿病」になります。
●血糖値が常に高い状態にあると、血液が濃くなり、脱水状態になるばかりでなく、糖尿病や心筋梗塞・肝硬変といった病気にかかりやすくなるというリスクが生じます。
●糖尿病は治りにくく、高血糖状態が続くと、いくつもの合併症を引き起こします。
●なかでも糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病性神経障害があり、これらは糖尿病の三大合併症と呼ばれており、失明や透析、足の切断などの重大な障害をもたらします。
●正常な血糖値は、空腹時60~110㎎/dl、食後100~140mg/dlと言われます。この値の範囲内ならば正常ということになります。
●したがって空腹時で110㎎/dl以上、食後で140/dl以上は血糖値異常になります。
●ちなみに、血糖値が170㎎/dlを超えると尿糖が出ると言われています。
●血糖値の自己測定器を使用すれば自分で血糖値を把握することができます。私が使用しているのは「ニプロ」のケアファーストです。
●測定には測定器本体と、指先から極わずかな出血をさせる針(ランセット)、血液を採取するためのCFセンサーが必要です。
●今の機械は感度が良くなり、以前よりかなり少ない血液で測定ができるようになりました。(昔は血液量が少ないとエラーが出ることが多かったです)
●他にも数社から販売されており、約1万円で購入可能です。
●本体にセンサーを装着します。
●ランセットで出血させます。
●センサーで吸引します。
●数秒で結果が出ます。
●実験開始前の血糖値は103でした。
●その後すぐに、スプーン1杯のラカントSを入れた紅茶を飲みました。
●30分後に測定しても、ほぼ変化がありませんでした。
●何度か同じ実験をしましたが、結果は同じでした。
●血糖値のコントロールを気にされている方にはうってつけの甘味料だと思います。
●これからもいろんな食材で実験してみようと思います。