この書籍はアメリカで発売された書籍の日本語訳です。
この中では「神経を抜いた歯(感染根管)から病巣感染を起こし様々な病気を引き起こす」事が書かれています。
この書籍は私の知人の歯科医師が書かれたものですが、感染根管を治療したら、多くの病気や症状が完治もしくは改善されたことが書かれております。
感染根管治療は歯科医師にとって、手技的にも細菌学的にも非常に難しい治療でもあります。
しかし、この歯科医師は、その根管治療にある薬剤を使用して、病巣感染を治療した事を報告しております。
その薬剤とは、3種類の抗生剤をある一定の比率で混ぜ合わせ、それをある薬剤で煉り合せたものです。その薬剤を根管消毒材として使用します。
ただし、特許の関係でこの方法の詳細は書けませんので、ご自身でお調べください。
今回、この薬剤が本当に感染根管に浸透するのかを実験してみました。
まずは3種類の抗生剤を準備します。
1 抗真菌剤
2 テトラサイクリン系
3 ニューキノロン系
その薬剤を一定の比率で練板の上に出し、まずは粉末とペースト状の薬剤を煉り合せます。このままだと色がわかりにくいので、微量だけう蝕検知液(赤)を混ぜました。
その薬剤を抜去歯で根管形成をした歯のなかに貼薬します。
仮の蓋をしたのち、湿度100%で36度の恒温器にいれ放置しました。
24時間後には歯根に赤い色素が見えています。写真ではわかりにくいですが、肉眼では全体的に染まっているのが確認でき、象牙細管内を薬剤が浸透していることがわかります。
3種類の抗生剤を混ぜ合わせた薬剤は感染根管処置には有効だという事が言えるのではないでしょうか。 それにより、病巣感染を防ぐことができ、病巣感染が原因と思われる疾患や症状を治療できる可能性があることが示唆されていると思われます。