化学物質過敏症の原因の3分の1から2分の1は有機リン剤によると思われます。この患者さんはしばしば電磁波過敏症を訴えます。
有機リンは第二次世界大戦中には毒ガス兵器としてサリンなどに利用された歴史があります。また戦後は殺虫剤としてパラチオンなどに利用されています。この有機リンと電磁波の作用メカニズムには類似する面があるそうです。有機リン剤に暴露されると血液脳関門(BBB)が拡大し、脳に毒物が流入しやすくなります。電磁波でも同じように血液脳関門が拡大します。他には有機リンも電磁波も活性酸素を増やし、抗酸化物質が減少し、DNAを傷つけます。
また、両方ともに神経伝達物質に影響します。したがって、化学物質過敏症の人は電磁波過敏症を併発しやすいそうです。