バーニングマウス症候群(BMS)は舌や歯肉、口蓋粘膜等に器質的な障害が認められないにもかかわらず慢性的な疼痛や違和感を訴える歯科固有の疾患です。
国際頭痛分類第3版(ICHD-3)によると、BMSは口腔内に灼熱感、不快感があり、説明し得る医学的、歯学的原因がみられない病態であり、連日2時間以上、舌や口唇あるいは口腔粘膜の表層に自覚される症状が、3か月以上持続するものとされています。
病因は未だ不明ですが、末梢神経および中枢神経の障害を裏づける報告があることから、現在BMSが神経障害性疼痛の一種であると考えられ始めております。
BMSの発症率は0.6~15%で女性に圧倒的に発症します。(性差およそ7:1)
発症年齢は27歳~87歳(平均61歳)で90%は閉経後の女性に生じるのが特徴です。
好発部位は、舌の前方2/3がもっとも多く、口蓋や口唇、歯肉にも生じますが、頬粘膜や口腔底は稀です。
症状は灼ける様な疼痛、火傷したようなヒリヒリした疼痛、あるいはしびれたような感覚がでます。
随伴症状として、味覚障害や口腔乾燥が多くみられます。
BMSは通常、誘因がなく発症し、症状が数か月から数年続きます。夜に向かって症状が悪化します。しかし、睡眠にはほとんど影響せず食事の際に痛みが和らぐことも多いです。
同じような症状で舌痛症がありますが、概念的には舌痛症はBMSの一症状として考えられています。
海外では舌痛症もBMSと同じととらえております。
したがって、治療は舌痛症と同じになります。
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